« デジャ・ヴュではない | メイン | 8月14日のサンデー・ジャポンを見て »
2005年08月12日
郵政解散? [カテゴリ : Column002 ]
こんな記事が出たおかげで郵政民営化について書くことがはばかられたが、
リクエストもあったことだし、そろそろ書くべきことを書いておかなければ。
まず、「郵政解散」という言葉についてだが、やはり違和感を感じる。
解散して国民に信を問うことが悪いと言っているのではない。選挙の焦点が郵政であることがおかしいのだ。
そもそも、自民党内の反対派にせよ、民主党にせよ、郵政民営化を全否定しているわけではない。
法案の内容に納得できないから反対しているのだ。
このことを解散前に意識していた国民がどれだけいるだろうか。
私も友人と何度か議論したが、民営化賛成を唱える人はほぼ全員がこれを知らなかった。
そして解散後、「あの議員、選挙になったら慌てて『私は反対じゃないんだ』と言い出したね(嘲)」なんて言い出す始末。
本当にやってくれるかどうかはともかく、民主党の方がよっぽど現実的な改革案を述べているのに、
それでも「小泉さんは改革断行してくれる」と支持するのはこういう人たちなのだろう。
もちろん、それが「民意」だとするならば選挙も小泉の思うままにいくのだろうが・・・
衆院選に向けた自民党のキャッチフレーズが「改革を止めるな。」というのもそのあたりを狙ってのことだろう。
・・・ま、とは言え、我々は国政のシロウトだ。
「言ってることは難しくてよくわからないけど信用できそうだから投票するわ」という行為まで非難するつもりはない。
ただ、ほとんどの議員が改革には反対していないということは知っておかねばならないということだ。
また、あまり触れられる機会はないが、
参議院の結果に対して衆議院の議員にペナルティを課すというのはフェアな政治活動と呼べるのだろうか?
次に、局員の既得権益が選挙に影響を与えるのは見苦しい、という意見について。
この意見、要は「公務員の肩書きにしがみつく郵便局員なんてバンバンリストラしちまえ」ということだ。
そういうことを言う人たちは「郵政公社」の設立を記憶から消去してしまっているのだろうか???
ほんの2年前のことだ。郵政は公社化し、国の税金を使わないシステムに進化した。サービス内容もグンと進歩した。
もちろん私が昨年末に指摘したような意識の低い局員がいることも事実だ。いくら公社化しても人の中身までは変えられない。
しかしそれは民営化しても同じことだろう。
とりあえず彼らの肩書きは「みなし公務員」であり、「公務員」ではなくなっている。
また、これは少々浪花節的になってしまうのだが、
特定郵便局というものは、明治に郵便局ができた当初、当時の名士たちが
「日本が良くなるためなら」と無償で建物や蔵を貸してくれた名残なのだという。
世襲だなんだと聞くと我々一般人は過敏に反応してしまうが、
背景を知ってさえいれば、ある程度目をつぶってやることもできたのではないか。
もちろん寛容であることが良い結果を導き出すとは思っていないが、
民営化議論の槍玉にあげられるのはちょっと可哀想な気がしたので取り上げてみた。
自民党と民主党の政権争いなのか
郵政民営化の是非を問うものなのか
論点も争点も見えてこないまま、「国民の皆様に決めていただきます」と言われても、正直、困ってしまう。
小泉の言うように
「私とその仲間は改革をしようとしたが抵抗勢力に阻まれた。何度でも立ち上がるぞ」というのが事実ならそれでもいい。
しかしそれは国民向けの”ポーズ”であって事実とはかけ離れている。
じゃあ嘘つき小泉を追い落とせば日本が良くなるのかと聞かれるとこれまた答えに窮する。
・・・ハッキリ言って、「改革」を叫びはじめてから日本は迷走しているのではないだろうか。
現実問題として対処しなければならないことをさて置いて、与党も野党も理想論ばかり語るようになってしまった。
マニフェストなんて言葉が大きく取り上げられたのもこれを象徴している。
理想論はもちろん大事なものだ。しかし、政治家はリアリストでなければならない。
私の知人が首相官邸と細いパイプを持っており、国民の声を秘書官に伝えているらしいのだが、
ハンセン病患者が国に賠償を求めた裁判で国側が控訴した際、
「米国債や中国に渡す金があるならなぜあの方達を救おうとしないのだ」と声を荒げたら、その秘書官が
「そんなこと言ったら何十年も遡って全ての人を補償しなければならなくなる。そんなことはできない」と言ったという。
もちろん信じられない意見だし、最終的に控訴は取り下げられたわけだが、
つまりはこの秘書官の現実主義っぷりが政治家の気質ということ。
そこに国民が理想論をぶつけて政道を正すというのがこれまでの日本だったのだが、
今は政治家が率先して理想論を語りだしている。
これが良い方に転がってくれればいいのだが・・・
投稿者 nakimi : 2005年08月12日 07:59
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.nakimi.com/mt/mt-tb.cgi/534