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2005年11月13日

モロッコ水晶の謎   [カテゴリ : mystery ]

有栖川有栖の「モロッコ水晶の謎」を読む。
先日の本にかかっていた帯から連想して購入したことは言うまでも無い。

内容は本格推理小説でありながらも二人の主人公がコミカルに描かれており、たいへんに読みやすい。
ミス研あたりでは有栖川有栖や清涼院流水あたりをやたらにこきおろす風潮があるようだが、
ミステリの楽しみ方というのも色々あると思う。私はこのシリーズが好きだ。
ただ、短編集というのはどうも読み応えがなくていけない。
しかも「推理合戦」なんて、実質4ページしかないし。・・・まぁ、これはお遊びだろうけど。

「助教授の身代金」の中で、身代金目当ての誘拐は成功したことが無い、という話に触れていた。
被害者を殺害して犯人が逃げたケースはあっても、身代金をうまくせしめた犯人はいない、という定説である。
それに対し、作中の城戸というキャラクターが
「誘拐犯の言いなりになって、警察に通報しないまま身代金を払った被害者がいないとは限らないでしょう」
と、反論する。
確かに、説得力のある意見だ。
しかしそれに対して
「人質が無事に帰ってきたのなら、被害者は沈黙をする必要がありません。
そこで口をつぐんで都合のいい被害者を貫いたら、犯人にまた狙われる危険を自ら招くことになるだけだ。
人間の心理として、まずない。
闇から闇に葬られた身代金目的誘拐がたくさん存在する、というのは、欲深い誘拐犯の妄想です」

と、返す。なるほど。
・・・これが「議論」なのだ。
私の理想とするのはこのように知的で理の通ったやりとりだ。
こんな論敵が身近に一人でもいてくれたなら、それだけで人生は有意義なものになるだろう。
・・・
それはともかく、
「身代金目的の誘拐はただの一度も成功していない」という定説は、このようにして守られたわけである。







「誘拐はよくないよな! おれも誘拐とかしないように気をつけよう。」

(c)MOTHER2

投稿者 nakimi : 2005年11月13日 00:09

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