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2006年06月04日

芸術と平和   [カテゴリ : Column003 , MUSIC ]

土曜深夜のTBSラジオ「ふるチン」にゲスト出演された岡留安則氏が
メディアとしてのインターネットを語られた際、「きっこの日記」というサイトを紹介していた。
どうやら日本で屈指のアクセス数を誇るブログらしいのだが、
私は他人様のブログ・・・増してや人気ブログなどというものにはまったく興味が無かったので
これまで名前すら聞いた事が無かった。
2ちゃんねるでも見ていればその名前が出てくることもあったのだろうが、残念ながら2ちゃんねるを見る習慣も無い。

・・・で、その、「きっこの日記」を拝読したところ
盗作疑惑の和田氏がセクハラ問題を起こしていた話など、刺激的というか、どぎついものが多く投稿されていた。
女性週刊誌の見出しのようなセンセーショナルな情報は人を引き付けるものがある。
ただ、それだけに、「このブログの読者にはメディア・リテラシーを重んじてもらいたい」とも感じた。
・・・
そんな中、気になったのが
ピアニストの熊本マリ氏がテレビ番組の中で
「最近の日本の若者は軟弱だから、日本も徴兵制にすればいいのに」と発言したらしい、という記事。
本当にこのような発言があったのかどうか、確認することはできないが、
熊本氏のブログに寄せられたコメントを読むと、直接番組を見た人からの苦情も含まれているようだ。
ということは、少なくともこれに近いニュアンスの発言はあったと信じていいだろう。
#・・・しかし、その番組が安藤アナの出演する「2時ピタッ!」だというのは皮肉な話だ。
#「ふるチン」で岡留氏の言葉を聞かなければこの話題にたどり着くこともなかったわけで・・・

熊本氏のブログには
「自分の息子が紙切れ一枚で戦地に送られても平気なのか?」
「そもそも今の若者が情けないというその根拠はなんなのだ?」
「軍歌しか弾けない世の中になるぞ」
などといった投稿が数多く寄せられていた。
そんな中、「あなたが音楽家であることが残念だ」という内容の書き込みが特に目を引いた。
書いた本人はちょっとしたイヤミのつもりだったのかもしれないが、意外に深い意味を持つ指摘だ。
・・・
以前、美輪明宏氏が「伊集院光 日曜日の秘密基地」にゲスト出演された際、
日本の軍人がどれだけ愚かで、どれだけ無知で、どれだけ芸術をないがしろにしたかを語ってくれた。
同盟国であったドイツやイタリアの音楽も、アメリカの音楽と区別がつかないから一律に禁止したという話は
今となっては笑い話にしか聞こえない。
(中曽根康弘クラスのエリートなら音楽にも精通していたはずだが)
また、戦時中、滑稽な落語や艶噺が禁演になったというのも有名な話だ。

芸術というものは、権力の都合によって常に虐げられてきた。
それを守るべき立場にあるプロのピアニストが、徴兵制を奨励するようなことがあっていいはずがない。
現在、熊本氏のブログはコメント投稿を禁じ、自身の投稿もなされていないようだが
全ての音楽家・芸術家の名誉のためにもハッキリと謝罪してもらいたい。
・・・
「なぜいきなり"謝罪"なのか」「戦争必要論もあっていいのでは」
そんな感想を持たれた方もおられるかもしれない。
実際、熊本氏のブログに寄せられたコメントの中にも
「音楽家が平和主義でなければならない道理はないかもしれませんが...」と前置きしたものがあった。
しかし、今回の論点はそこではない。
「芸術家が軍隊や戦争に対して肯定的な発言をした」ということが問題なのだ。
戦争は人の目を曇らせる。
民衆を煽動するために芸術や娯楽が利用される。
そして何より、既存の作品がないがしろにされる。
十分な練習をするための場所も機材も時間も取り上げられる。
そこに考え及ばず、無神経な発言をしてしまったことを彼女は謝罪するべきなのだ。

実際、外国では、英雄モノの戦争映画で若者を煽るようなことがなされていると聞く。
憲法9条改正もいいが、それぞれの立場から平和を訴えるという基本を忘れては全体主義に取り込まれるばかりだ。


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・・・しかし、古田新太氏といい、今日の伊集院氏といい、
なんだってこの「禁煙週間」に、秋葉原の路上喫煙禁止に対して文句を言ったりするかねぇ・・・(苦笑


-----追記-----
本日20時33分付けで熊本氏がコメントを発されたようだ。
謝罪の意を示したことは良いのだが、「誤解を招いてしまったことを残念に思う」という書き出しはどうかと思う。
上に紹介したような視聴者からのコメントを削除したことも波紋を呼びそうだ。

・・・しかし、しばらく放置されていたはずなのに、
私が見に行ってから数時間で全てのコメントが消されたというのはすごい偶然だ。
岡留安則氏の声を聞くのが一日でも遅れていたら、熊本氏の主張しか読むことができなかったわけだからね。

投稿者 nakimi : 2006年06月04日 16:14

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