« 平日旅行 | メイン | Eee PC 900HA »

2009年03月19日

本格の定義   [カテゴリ : mystery ]

「容疑者Xの献身」をレンタルした、と言ったら、友人に不思議そうな顔をされた。
私が東野圭吾作品を評価していないことを知っているからだ。
もちろん「映画と原作は別物」と、割り切っているということもあるのだが、
映画館慣れしていないせいか、一度見た作品はもう一度手元で見ないと調子が狂う。
一緒に借りた「魔笛」も同様である。


ところで、「容疑者Xの献身」で検索したところ、
Wikipediaに「二階堂黎人氏の発言に端を発する論争があった」という記載を見つけた。
しかしこれがどうにもアンフェアな内容で・・・

二階堂氏がケチをつけたものの、その内容には矛盾が多く、
さらに「容疑者~」がミステリ大賞を受賞したため、ザマミロな感じで収束しましたとさ。

意訳するとこんな感じだ。
あまりと言えばあまりな内容である。
東野圭吾ファンサイトならいざ知らず、Wikipediaに残すものとして相応しいとは思えない。

今更当時の議論を蒸し返しようも無いのだが、
二階堂氏の主張は「本格か否か」というものを柱にしているのだから、答は○か×かしか無い。
矛盾もへったくれもないのである。

二階堂氏の日記を拝読すると、別におかしなことは書かれていない。
さらに経緯を読み進めていくと、反論したい人間が二階堂氏のサイトに押し寄せたため、
やむなく議論を打ち切った、というのが本当のところらしい。
Wikipediaの記載とずいぶん違うな。

二階堂氏の肩を持つわけではないが、これに関してはWikipediaが間違っている。
なぜなら、「ミステリ大賞を受賞したから二階堂は何も言えなくなりましたとさ。プププwww」
などということがあるはずがないのだ。
賞の権威に負けて議論を止めるような人間がミステリ作家になるはずがない。
京大ミス研がエラリイ批判を後回しにしたり、ヴァン・ダイン作品だからと甘めな評点をつけたりしただろうか。
あり得ない。
湯川学が「あり得ない?どうしてそう言い切れるんですか」と言ってきたところで、あり得ないものはあり得ない。


ついでに。
坊主憎けりゃ袈裟まで、になりかねないのでほどほどにしておくが、
東野氏の言う「本格であるか否かは、読者一人一人が判断することである」というのもいかがなものか。
本格ミステリの「本格」とは、グルメレポーターの「うわぁ~、ホンカクテキー」の「本格」とは意味が違う。
定義のあることなのだから、読者にお任せしますというのはおかしな話なのだ。

それに、二階堂氏のサイトに押し寄せた東野ファンはおそらく勘違いしているのだろうが、
本格ミステリでないから駄作、などということは無い。
メタミスや旅情ミステリの方が質の高い作品であることも多いのだ。
「本格」というのはあくまで一定の条件を満たした作品をそう呼ぶのであって、
作品のレベルを云々するものではない。
そんなことも知らずに、
「圭吾サマの悪口を書くなんて許せない!」とワメいているとすればそれは実に愚かなことなのである。


視聴だけならレンタルで十分だけど、スペシャルエディションはちょっと欲しいかも。

投稿者 nakimi : 2009年03月19日 18:41

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.nakimi.com/mt/mt-tb.cgi/1526

コメント

お名前とメールアドレスを入力してください

!!"Comment spam" and "Track back spam" are automatically excluded!!




保存しますか?