2006年04月10日

最高のちりめん山椒を食す   [ soba ]

先週の金曜日、本物の蕎麦を出すお店に行ってきた。

いつも通りに最高のお蕎麦をいただいた後、
蕎麦湯のあてにとご主人が出してくれたのが「ちりめん山椒」

正直、香草などがあまり得意ではないので、
もし口に合わなかったらどう言い訳をしようと思いながら口に含むと・・・
粉山椒などの、あの、イヤったらしい香味は一切なく、ただただ鮮烈で爽やかな味が口に広がる。

聞けば、これも信州の本場ものらしいのだが、
育てた環境がどうと言うよりも、そもそも種類が違うのだとか。
普通は緑色になる山椒の新芽だが、この品種は紫色になるのだという。しかもよそではまず見かけないらしい。
この木を所有する農家が
「畑の栄養を吸っちゃうから切ろうと思ってるんだ」と言ったことに慌てたご主人が
思わず「うちが肥料のお金を出しますから切らないでください」と、頼み込んだという惚れ込みぶり。
話だけを聞けば美談作りが過ぎるような気がしてしまうが、
実際に味わってみると、啖呵を切る気持ちもよくわかる。それくらい素晴らしい食材だった。

ちなみに、ちりめん山椒というと京ちりめんが有名だが
こちらでは茹でたしらすと合わせていた。それがまた蕎麦屋らしくて爽やかさを演出していたね。

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2006年01月31日

鴨せいろを食す   [ soba ]

今日の夕食は「なごみそば」という立ち食いそば。
・・・と、言っても立って食べるスペースはないんだけど。

注文したのは鴨せいろ580円+大盛り70円
このリーズナブルさがいいね。

ただ、店の表にあるメニューに
「大盛りがオススメです」と書いてあるのはどうかと思ったけど・・・。
量が少ないのが弱点なら最初っから増やしてくれればいいのに。

味は値段相応。
鴨肉がけっこうな量入っていたのだが、これがむしろ多すぎるように感じた。
ほとんど沈んじゃってて、蕎麦湯を飲む段になってあわてて片付けたりしたし。
また、薬味にネギとユズの皮がつくのはなかなかのサービスだと思うのだが、どちらも風味が強すぎる。
・・・
なんていうか・・・全体的に無駄が多いんだな。
鴨肉を半分にして薬味をなくして、それで50円でも安くなればもっと人気になると思うんだけど。
いや、その分を大盛りに充てればいいのか。

混雑していない時間帯だということもあるのだろうが、
「そばですか?うどんですか?」「暖かいそばと冷たいそばができますが」と、ご主人の対応も非常に丁寧だったし
(これが駅の蕎麦屋ならオバチャンに睨まれているところだ)
注文が入ってから生蕎麦を茹でるというのも立ち食いにしては良心的なシステムだ。
もっと商売上手になって頑張ってもらいたいなぁ、と、思うのである。

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2006年01月28日

蕎麦屋で飲む   [ soba ]

友人(後輩)に連れられ、新宿の大庵という蕎麦屋に行ってきた。
この[蕎麦カテゴリ]でいつも紹介している名店と比べるわけにはいかないが、なかなかいい雰囲気の店だ。

ただ、残念ながら今回は時間が限られているので、
二、三品つまみに飲んだら蕎麦をたぐって引き上げようということに。
そこで頼んだのが
そばがきの揚げ出し

寒ぶりトロ塩焼

この二品。

そばがきがやたらふうわりしていると思ったら、中にチーズが埋め込んであった。
蕎麦の香りを楽しむには邪魔かもしれないが、揚げ出しにして食感を楽しむにはいいアイディアだ。
ぶりトロの方は、むしろ普通のブリよりもアッサリしているように感じた。
上手上手に焼いて、うまく脂を落としているのだろう。
これらをつまみに二人で中瓶を二本空けた。
焼酎・日本酒が中心だが、ビール党も満足できる品揃えになっている。・・・私は正直キツかったが


シメは美湯豚せいろを注文。

正直、蕎麦は固めに茹で上げているというだけで、強い腰があるわけではない。
ツユも絶品と呼ぶには抵抗を感じる味わいなのだが・・・
浮かべている豚肉がとても丁寧な仕上げで、味が抜けていないのに脂っこくない。
ツユに脂がほとんど浮いてこないのには驚いた。
・・・
また、一緒についてきた胡椒を入れてビックリした。ツユとの相性がバッチリなのだ。
これはよく考えられた料理だと感心してしまった。
・・・ただ、蕎麦湯を入れると胡椒が強すぎてちょっと・・・という感じになってしまうのは残念。


蕎麦の風味や蕎麦ツユの味を純粋に楽しむという意味では本格的な店に及ばないが、
一品一品の料理がしっかりと計算されていることは高く評価したい。
「蕎麦屋で一杯」という飲兵衛の夢を具現化したような店。
懐に余裕ができたらまた行ってみたい。

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2005年11月24日

本物を嗜む その5   [ soba ]

今回は前回よりランクを落とした蕎麦すいとんを予約したのだが、
粉が準備できていないということで、料金据え置きのまま特上のすいとんを出してもらうことになった。

なので、感想は前回に同じく。
味を比較して舌を鍛えたいという気持ちもあったのだが、ワガママは言えない。料金的にはラッキーなんだし。

「新蕎麦は年末から年明けにならないと出せない。一番美味しいのは2月ごろ」と聞かされていたので
今回新蕎麦が出てこないのは想定内のことだったのだが、そんな中、残念なお知らせが一つあった。
今年は在来種の新蕎麦が入ってこないそうなのだ。
なんでも、唯一在来種を栽培しているご夫婦が高齢のため種を蒔けなかったのだとか。
・・・
長野と北海道から新蕎麦は仕入れるらしいが、「在来種の新蕎麦」は当分おあずけになりそうだ。
・・・とは言え、一代雑種の「ほとんど在来種なんだけど・・・」というものにも当たりをつけているらしく、
客の側からすればそれほど悲観することはなさそうだ。
そもそも十割蕎麦自体、どこへ行っても食べられるというものではないからね。

以前、この店のご主人は
「在来種を途絶えさせるわけにはいかない。最悪の場合は店をたたんで栽培に専念することも」
と、おっしゃっていたのでそれだけが心配だったが、
来年以降は時々現地に赴くくらいで、まだまだお店は続けてくれるとのこと。一安心である。

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ここのご主人とは「食」をテーマにした議論を交わすことが多い。
今回はふとしたきっかけでコンビニ弁当の話になった。
もちろん健康志向であり本物志向のご主人がそんなものを口にするはずがない。私も最近ではほとんど食べない。
そんなコンビニ弁当のご飯、白飯について、驚くべき事実を聞かされてしまった。

コンビニ弁当は当然ながら大量生産であり、工場のようなところで作られているわけだが、
そこでは、大量に炊き上がったご飯を広げて、抗菌のためにクレゾールを振り撒くらしい。
私はクレゾールといえばあの磯の香りのようなものしか知らなかったのだが、
無臭のクレゾールというものが存在するようで、混ぜてしまえばわからないらしい。

コンビニ弁当やジャンクフードと言うと、いわゆる「廃棄」のイメージが強い。
食べ物をポイと捨てるとは何事だという意見も当然あるわけだが、
功罪の功として挙げられるのが「傷んだものは出回らない」ということ。
しかし、よくよく考えてみれば、
いくら頻繁に廃棄しているとは言え、一日にあれだけの量の弁当が日本中で消費されているのに
食中毒がほとんど起こらないというのはおかしな話だ。
その秘密の一つが無臭のクレゾールだったというわけか。恐ろしい。


大量にご飯を炊いて運ぶものといえば、弁当の次に思い出されるのが給食である。
・・・まさかとは思うが、給食センターでクレゾールなんか振り撒いてないだろうな???

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2005年08月28日

蕎麦すいとん   [ soba ]

5月に紹介した本物を出す蕎麦屋にまた行ってきた。

今回注文したのは蕎麦すいとん。

前回の蕎麦掻をちぎってかけそばの汁に浮かべたようなものだが、これがなかなか塩梅がいい。
盛りのそばつゆにひたして食べるとどうしても味が濃すぎるので、私はこちらの方が好みだ。
ただ、一級品の蕎麦粉を使ったその香りを楽しむなら、汁に沈めるよりも蕎麦掻のままの方がいい。
値段もすいとんの方が若干高いし、そう頻繁に食べるものじゃないのかもしれない。
次は寒い時期にでも注文することにしよう。


このお店、無許可で雑誌に紹介されてしまったらしい。
ご主人はそれほど迷惑そうでもなかったが、
お品書きでさえも伏せてある貴重な蕎麦粉についても勝手に掲載したため
それだけを目当てにやってくる「蕎麦マニア」が後を絶たないのだという。困ったことだ。

投稿者 nakimi : 23:30 | コメント (0) | トラックバック

2005年05月11日

本物を嗜む その2   [ soba ]

先日のお蕎麦屋さんでそばがきを食べてきた。
この店を紹介してくれたマスターもイチ押しの蕎麦掻とはどんなものなのか、とても楽しみにしていた。

出されてまず驚いたのがこの形。
つみれを作る前のような恰好をしていて、とてもそばがきには見えない。
そこでご主人に
「蕎麦掻と言うと、木の葉型に整形されていて湯を張った中に浮かべてあるものしか知りませんでした」
と素直に話すと、
「掻く作業をせずにポンとゆでて浮かべる蕎麦屋さんも多いけど、これが本物の蕎麦掻なんですよ」
と教えてくれた。
もちろんきちんと掻いた上で木の葉型に整形するお店もあるのだろうが、湯に浮かべては味が逃げてしまう。
そうしたことも踏まえてこのような形にしているのだという。
もちろんこれも貴重な蕎麦粉100%だ。

味は蕎麦切りよりも甘く、その分ツユは辛目にしてあるという。
弾力も強く、とても食べ応えがあった。
ただ、蕎麦本来の味は蕎麦切りよりも上だったのだが、香りにそれほどの差は感じられなかった。
この辺は慣れというものもあるかもしれない。

こちらのお店にはこの蕎麦粉を使ったすいとんも用意されているという。
次回はそれを楽しみに行くとしよう。
・・・あんまり暑い日のすいとんはちょっと困るけどね。

投稿者 nakimi : 22:01 | コメント (0) | トラックバック

2005年04月22日

本物を嗜んできました   [ soba ]

前回お話しした貴重な蕎麦を食べる機会が早くもやってきた。
と、言うのも、昨日このお店に行った際、忘れ物をしてきてしまったのだ。
お店に電話をするといつでも取りに来てよいとのお返事を頂いたので、
どうせならただ受け取りに行くよりも、要予約のお蕎麦を頂きたいとお願いした。
それがこちら

・・・正直、カルチャーショックだったね。
食べる前まではどんな美辞麗句で褒めちぎろうか考えていたんだけど、
頭の中に浮かんだ言葉は「こりゃ蕎麦じゃねえわ」の一言。
それは別に、「蕎麦を超越してる」だとかそんな歯の浮くような意味じゃなく、
本当に、「ああ、これは蕎麦とは別の食べ物だ」という感想を抱いたんだ。

これまで蕎麦というものに抱いていた印象は、「のどごしを楽しむ」というもの。
でもこの蕎麦は違う。喉じゃなくて舌で味わうものなんだ。
香りや味が強すぎて、つゆにどっぷり浸しても負けない。もちろんつゆをからめない方がいいけど。
だからモグモグモグモグいつまでも楽しめる。
粋じゃないかもしれないが、蕎麦じゃないと思えば問題ない。

そこでご主人に、
「切り蕎麦がこの蕎麦を活かす最大の調理法なんですか?」と聞いてみた。
のどごしじゃなく香りと味を楽しみにモグモグやるなら麺の姿である必要はないからだ。
ご主人は「お客様の好みによりますが・・・」と前置きした上で
「やはり香りと味を楽しむにはそばがきが一番だと思います」と答えてくれた。
切り蕎麦至上主義のこの業界においては衝撃的な発言だよ。これ。

名店と呼ばれる蕎麦屋でもそばがきを置かないところは多い。
店主が切り蕎麦へのこだわりを持っていたり、それこそ「粋じゃない」と敬遠されがちなそばがきだが、
こちらのご主人に言わせると、
「立派な切り蕎麦に仕立てていてもそばがきにすると馬脚をあらわすような蕎麦粉が多い」とのこと。
つまり、ごまかしがきかないから作りたくても作れない店が大半なのだそうだ。
「粋」と「質」どちらの言い分が正しいのか今は判断できないが、一つだけ言えることは
この店のそばがきは折り紙付きだということだ。
また次回行くときの楽しみが増えた。
いい店というのは何度行ってもいいもんだね。

投稿者 nakimi : 23:09 | コメント (0) | トラックバック

本物を嗜む   [ soba ]

昨日は表参道の歯医者に行ったのだが、保険外治療を断ったらものすごくぞんざいに扱われてしまった。
3席あるうちの1席には30分以上ずっと歯の相談してるおねーさんがいるし、
入れ違いに出て行った老人は玄関までお見送りするくらいだったのに
私の扱いときたら、先のことを相談できないばかりか、治療後のうがいもさせてもらえずに追い立てられたほど。
忙しいのはわかるけど、信頼していた先生なだけにとても残念だった。
センセのご機嫌取りたいがために14万円の歯なんかそんなホイホイ入れられませんて。

帰りに新宿に行って、先日同様R-1を探す。
さくらや・ビックでは見つからず、ようやくヨドバシの楽器コーナーでパンフレットを入手できた。
しかし店員に聞くと、あまりに人気がありすぎて展示品すら用意できないとのこと。
うーむ。。。
音質はもちろん間違いないのだろうけど、デカイやら電池の持ちは悪いやら別途メモリーは必要になるやら
弱点だらけだと思っていたのだが、市場の評価は思った以上に高いようだ。
こうなるとますます欲しく(てかとりあえず現物を見たく)なるなぁ・・・。


夕食は、いつも行くBARのマスターから本格的な蕎麦屋を紹介されたのでそこへ。
「蕎麦好きが高じて本職に」というお店はあまり期待できないというのが定説なのだが、行ってびっくり。
なんと、日本でたった一件の農家しか生産していない純粋な在来種の実を独占契約で仕入れているのだという。
(その貴重さだけを目当ての客には来て欲しくないので、このことはお品書きにすら謳っていない)
しかも都内では珍しい石臼を使って蕎麦粉を挽いている。
また、十割そばに対するこだわりも強く、
製粉会社の御用聞きが「これはつなげないでしょう」と言うくらいの粗挽きと
目の細かい粉とを見事に仕立て上げる技術もあるらしい。
残念ながらその話を聞けたのは一番基本的な十割蕎麦を食べた後だったため、楽しみは次回にお預けになるが、
よほど私が聞き上手に見えたのか、1時間以上も蕎麦談議をさせていただいた。
正直、もり一枚で2500円とか3000円ってのは私には分不相応だと思う。
しかしここで本物を経験しておくことが後の人生にどう役立つかも知れない。
次回が本当に楽しみだ。


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「独占契約?いやいや、フカしじゃねーの?」と思われるかもしれないが、
農家といってもご夫婦が自分たちのために作っているもので、大量生産されているわけではない。
また、純粋種の蕎麦の実は確かに全国数箇所に見られるが、
とある蕎麦の名産地(聞いたけど一応伏せ)で伝えているのはこの一軒だけ。
名産地であるが故に、交配種との隔離が難しく、結果この一軒しか残らなかったのだそうだ。
また、ただ貴重なだけでなく本当に香りが素晴らしい。
私も挽く前の実を食べさせてもらったが、やはり味が違った。
店のご主人は、農家の老夫婦がリタイヤされた後はそこを引き継ごうかどうか本気で悩んでいるとのこと。

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