新生児発言を斬る!!



 99年成人式から一ヶ月が過ぎた。
そろそろほとぼりもさめただろう・・・ということで成人式をネタにしたい。

 ご存知のことと思うが、今年の成人式、すべての視線は仙台市に集まった。
早稲田のテレビ芸人・吉村saku-Gが大騒ぎの原因を作ったのだ。
彼は新成人じゃなくて新生児だなどとコメントし、
自分ではウマいことを言ったつもりでいるようだ。

 かいつまんで話を追えば、
以前、成人式で不愉快な思いをしたことを理由に
全てのスピーチを断わってきたsaku-Gに対し、
仙台市長が「絶対そんなことにはならないから」などと言って口説き落としたのがはじまり。
あとは、誤解を多分に含む報道にあるように
saku-Gが新成人に対して憤りを感じたということにつながるわけだ。



 さて、そこで説明が必要になるわけだ。
まず、新成人が会場に出たり入ったりして気になったという話についてだが、
公演会場の入口は一つしかなく(二階席は別だが)、
人の流れに身を任せて先に進むと記念品のカウンターがあり、
必死の思いで500円分のカードを受け取るとそのまま会場になだれ込むようになっている。
「聞く気がないなら会場に入るな」との声もあったが、このスタイルでは
記念品のみを受け取ろうと思っていても、一度は会場に足を踏み入れることになる。
 このように一方通行であったため、
公演開始後も動きがあったことはある意味当然であったとも言える。

 そして、会場は市の体育館であるため、暖房もきいておらず、
真剣に公演を聞くつもりだった人も、その寒さに途中退場した可能性がある。
 これらのことを考慮せず、
僕の公演を聞いてくれないなんて、みんなバカばっかりだ!!
というsaku-Gのワガママには閉口するしかない。
(こういう反論をすると「ご立派な大人」が
 「吉村先生も寒い中お話ししてくださっているのだから・・・」などとほざくことだろう。
 しかし、向こうは100万からの公演料を受け取っている「ビジネス」なのだから
 文句を言える筋合いではないはずだ。
 付け加えるなら、話す舞台のソデには暖房器具があるだろうし、
 照明の熱も相当なもののはずだ。)


 次に、仙台市側の無策についてだ。
前述した一方通行もそうだが、
1万8000人の新成人に対して7000しか席を準備していなかったことや
saku-Gに対して「失礼のないように対応します」などと軽々しく言ったこと。

 7000の席に対して集まったのは9500人。
これでは「ウロウロ」を注意されても仕方がない。
だいたいにして、軍隊じゃないのだから、「命令通りに動け」などというのは
市が新成人を物としか見ていない証拠である。
「失礼のないように」とは何事だ。
吉村大先生様のご機嫌を損ねないようにガキ共を調教しておきますから
と言っているのと同じことだぞ。

 そこまで市に対する批判材料がそろっていても、
藤井市長は「今の若者の人間形成における精神的欠落」だの
「人格や社会性が健全に育てられてこなかったことの象徴」だのと言っているのだ。
  人間性の欠落だぁ?上等じゃねぇか!
  あんたたちの言ってる人格ってのは
  軍隊みてぇに「右向け右」をきちんとこなすヤツのことかい?
  やりたいことをやる若者のほうがよっぽど人間らしいぜ。
  それでも会場に足を運んだってことをほめてやれよ。

・・・と言いたいところをぐっとおさえて話を進めよう(笑)。

 さらに始末におえないのは新聞の投書欄。
ここぞとばかりに「無職・70歳」「主婦・45歳」がわめきたてるのだ。
自分達の歩んだ道と違うと「悪」だってか。お偉いもんですなぁ。
 だいたいこのテの連中は暇なもんだから、
ワイドショー見ただけでコメンテーター気取りになって投書してるだけなんだ。
だから情報も不確かなものばかり。
その情報源ってのが、若者叩きで視聴率あげようって番組だもんだから
ますます投書マニアの「エセ正義感」は燃え上がるんだな、これが。
 例えば、saku-Gが怒って公演を切り上げたってのは真っ赤なウソ報道。
若者が公演を嫌うのはある程度予測されており、
「飽きないうちに50分で終わろう」との配慮がなされていたのだ。
それも知らずに「怒るのももっとも」なんて書いてくるのはやめてほしい。
それを使う新聞社も新聞社だ。


 ・・・結局、saku-Gがちょっとガマンすればよかった話じゃないのか?
「若者はだらしがない」という色眼鏡で見るから腹も立つのだ。
入口が一つしかなく、混み合っていることなぞ、ちょっと見ればわかることだったろうに。


 ま、もちろん
新成人も、「お仕着せ」のマナーに対応できなくなっているのは確か。
自分達の社会で通用するルールと他の社会のルールの違いが
区別できないようではどうしようもない。
社会への適応力を身につける必要があるということは否めない。
 ・・・ただ、当事者の1人として言わせてもらえるならば、
友人を含む大多数が公演を「聞かない」と言っているのだ。
たいして興味もないエジプトの話を一人で聞きに行くことなどできない。

 ・・・個性がないとか言いなさんな。
もともとは国や家庭の教育方針で個性をつぶしてきたんだろうに。
国や学校が個性を認めないから、目立つ子供がイジメられたりするんだ。

上からも出る杭を打ちたいだけ打って受験勉強させといて
都合のいいときだけ「悪意の同調行動は良くない」なんて言わせないぜ。
私は胸を張って言いたい。
「周りが見ないものを自分一人で見に行くのは愚行である」と。


・・・第一、こういう時に一人だけ場を離れる方が
社会への適応能力低いんじゃねぇの?


 ご立派な社会人様が
「周りがどうあれ聞くのが義務」とまでおっしゃるなら、これ以上何も申しますまい。
よっぽど軍隊教育が好きなんだろうからさ。


文責:NAKIMI 
1999年2月17日